祭壇、説教台、司教座
祭壇、説教台、司教座は、主イエスからペトロを中心とする12使徒団へ、続いて教皇を中心とする司教団へと、受け継がれてきた3つの任務の象徴である。したがって、その3つをまとめて説明する。幸いにも、第2バチカン公会議は教会憲章において、神の民の祭司職について(同憲章10参照)、預言職について(同12参照)詳しく述べ、王職についても触れている(13参照)。それは特にその第3章、司教職についての中で、教える任務(25)、聖化する任務(26)、統治の任務(27)として書かれている。
大壁画の前にある主祭壇は、純白の一枚岩、イタリアのカララ大理石。
イエスは、祭司職を託されたレビ族には属していなかったが、メルキゼデクの格式にしがって(詩110:4)、祭司職を果たされた(『ヘブライ人への手紙』参照)。イエ
スはその職務を自らいけにえとなって十字架上で果たされた。イエスは最後の晩餐でそれを記憶するよう使徒たちにお命じになった。使徒たちは、その後継者、つまり司教たちにその職務を委託してきた(同憲章26)。その職務を果たす場が、祭壇である。
信徒席の前方の右にある説教台は、実際に使用されることはほとんどない。しかし、そのシンボルとしての意義は小さくない。それは預言者としてのイエスの任務であり、それが特に司教にあると強調されている(同憲章25)。大理石で出来たその荘厳な説教台はは、その任務の崇高性と共に、重要性も意味している。
壇上の左に大理石で出来た荘厳な座席がある。その背もたれには、富士山と日の出を背景とした日本の風景が彫られている。この座は、ラテン語でカテドラ(司教座)と言われ、そこからカテドラル(司教座聖堂)と言われる。この座席はこの司教座聖堂にしかない。それは司教に委ねられた統治する任務を意味する。福音書によればそれは「仕えること」である(同憲章27)。大理石で出来た、この素晴らしいカテドラは、この座にお就きになる方と共に、教区民もなおいっそう、福音に仕えるものになることが求められていると言えよう。